PDTに関する論文

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1)PDT:フォトダイナミックセラピー:光線力学療法について

フォトダイナミックセラピー(PDT)は、皮脂の分泌を選択的に抑制する治療法です。

現在皮脂分泌を抑制する薬として、イソトレチノインというビタミンAの誘導体があります。しかしこの薬はその使用によって奇形児が生まれる可能性があるため、日本では利用できません。従って効果的に皮脂の分泌を抑制する方法がこれまであまりありませんでした。

防衛医科大学校の倫理委員会の承認下で、ニキビ、脂性肌に悩む25人の患者さんが防衛医科大学校皮膚科でこの治療を受け、いずれもニキビの改善と、十分な皮脂分泌抑制効果が得られました。入院を必要とした重症のニキビも1ヶ月半できれいになり、その後半年以上新しいニキビの発生を抑制しました。これらの患者さんの全ては、一般皮膚科保険治療で改善がみられなかった方、また数人は、ケミカルピーリングやビタミンC療法などにも顕著な効果があらわれなかった方です。

この治療の対象は、ニキビ、吹き出物、脂性肌、Tゾーンや鼻のテカリです。自己処理のできない背部のニキビにも極めて有用です。

2)具体的治療法とメカニズム

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原則として1ヶ月のアイオニックハイドレーション後にPDTを行います。これは多少なりとも皮膚の負担になる治療であるため、PDTをおこなう前に皮膚を強く、再成力治癒力を高めておくことを目的としています。強いケミカルピーリングをする場合レチノイン酸などの前処置をおこなう場合と同じです。

デルタアミノレヴリン酸(ALA)という、血液のヘモグロビンのもとになる物質が私たちの体の中にあります。このALAは、水溶性でビタミンCのような酸味のある粉状物質です。水やオレンジジュースといっしょに飲んで頂きます。内服後のALAは皮脂腺に強い親和性をもつため。選択的に皮脂腺に取り込まれポルフィリンという物質を作り始めます。

内服2-3時間以降は室内光のもとで過ごして頂き、4時間後から約1時間ほど光を照射します。この光は赤色で特殊な波長を含むやわらかいソフトな可視光線でレーザー光ではありません。この特殊な波長の可視光線がポルフィリンに反応し、皮脂腺のみを破壊します。

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さらに赤く炎症をおこしたニキビの主因菌であるアクネ菌(P.acnes)が、ALAをとり込み、ポルフィリンを貯えますので、このポルフィリンも光線に反応する事になります。従って、PDTはニキビに対して皮脂腺の破壊と、アクネ菌の駆除との二重の作用をおこします。照射中ジリジリした感じがあります。照射後徐々に皮膚に赤みが現れ、腫れる事もあります。

また、翌々日以降新しいニキビが出現する事があります。これは、脂腺細胞が障害され、それまで蓄積されていた皮脂が一度期に排出されるためです。このニキビは反応性のものなので1週間程度で消失します。

なおクリニックでは、大学における臨床研究で利用した照射量よりも少ない光エネルギーを利用していますので、2回以上の照射をする事をお勧めします。

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3)ニキビのタイプと皮脂の過剰分泌の関係

思春期ニキビ:ホルモンによる皮脂の過剰分泌が原因です。

大人(男)のニキビ:皮脂の分泌は20才代前半にピークがあります。男性の大人のニキビは、思春期ニキビがそのまま継続している事が多いようです。

大人(女)のニキビ:思春期に出なくて、20才過ぎてからニキビに悩む方がいます。このタイプはストレスや生活習慣に原因があるといわれていますが、男性ホルモンが多い傾向があるとも報告されています。また生理前2週間からニキビが悪化する方も多いのですが、これは男性ホルモンと似た働きをする黄体ホルモンの分泌に原因があります。男性ホルモンと黄体ホルモンは共に皮脂腺に働き皮脂の分泌を高めます。

胸や背中のニキビ:皮脂腺の多い部位として、顔のTゾーンと並び称されるのが、胸と背中のVゾーンです。特に背中のニキビは自己処理ができないので、一度の照射でニキビの新生を抑制できるフォトダイナミックセラピー(PDT)は、有効です。

脂性肌、テカリ:基本的に皮脂の過剰分泌です。Tゾーンや、鼻、または顔全体が赤みを帯びています。中にはニキビがそれほどできない方がいますが、これは皮脂を皮表に送り出す毛包管、特に漏斗部の角質のつまりがないためです。そのかわり、毛穴が開いている傾向が強く、きめの粗い皮膚になっています。

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