PDTに関する論文

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6)フォトダイナミックセラピーに関する論文 4

[4]非腫瘍性皮膚疾患への応用

ALA-PDTにおける腫瘍の選択性は、外用塗布すると腫瘍上の角質は病的なため正常と比べ、ALAがよく浸透するためと説明されていた。さらにその後、腫瘍細胞内のフェロキラターゼが枯渇しやすいという説もあらわれたが、現在でも明らかになっていない。

一方、腫瘍にALAを塗布した時、これに隣接して存在していた尋常性乾癬病巣に、強いPp?の蛍光が観察されて以来、尋常性乾癬36)をはじめとする多くの非腫瘍性皮膚疾患にALA-PDTが試されている。

非腫瘍性疾患に対するALA-PDTの作用は、単核球の機能抑制作用とALAに親和性を持つ組織の障害作用に分けられる。前者の作用が大きいと思われる疾患は、尋常性乾癬であるが、著者らの経験では、PUVAよりも治療効果が弱いように感じられた。他にDarier病の治療例の報告がある。なおアトピー性皮膚炎に塗布すると非常に強い蛍光を観察することができる。慢性湿疹およびこれに類した疾患は治療効果が期待できるかもしれない。

正常皮膚組織では、ALAの外用塗布をすると、皮脂腺、毛包、中層までの深さの表皮の順に、親和性がある37)。そして体重当たり10mgのALAを内服すると皮脂腺、毛包の順に蛍光の強さがあり、表皮には蛍光はみられない。体重当たり20mgのALAを内服すると表皮も蛍光を発するようになる。従って、表皮中層以上をresurfacingすることで、脂漏性角化症、表皮母斑、伝染性軟属腫、尖圭コンジローマ、真菌症、尋常性疣贅、疣贅状表皮発育異常症などの治療効果が期待できる。しかし著者らの経験では、3例の足底モザイク型尋常性疣贅で、効果を認めなかった。なお外用塗布によるALA-PDTは、治療後色素沈着を認めることがある。皮脂腺・毛包をターゲットとした試みとしては、脱毛38)、脂腺母斑39)、尋常性ざ瘡40)41)などである。このうち脱毛は、有効性が少ないことが明らかになっている。脂腺母斑の成功例は、13回のPDT施術を要している。我々の経験でも一人は6回の施術でかなり平坦になったが、もう一人は10回の施術をおこなっても顕著な改善がみられなかった。著者らの報告した尋常性ざ瘡に対する適応は、今後の発展が期待できる。1度ないし2度の施術で、多くの症例で改善をみせている。

おわりに

著者は初めてALA-PDTに関する論文を本邦皮膚科雑誌に投稿した時、既に欧米雑誌で多数のこのテーマの論文があったにもかかわらず、この治療は有用な施術たりえないという理由で掲載がかなわなかった。最近、本邦の各皮膚科学会で、ALA-PDTに関する報告が散見するようになったことは、非常に喜ばしいことである。一方で、本邦におけるALA-PDTはまさに今始まったばかりといってよいかもしれない。PDTはとかくknow howであるという意見42)がある。例えば、腫瘍に対しては高い光エネルギー密度とdoseを与えるし、尋常性乾癬では、弱いジュール数で、何度も施術をおこなう。また酸素の供給を要するこの施術は、1度の施術中にインターバルをとるのが良いという報告もある。

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